免疫力と睡眠にはどんな関係が？おすすめの睡眠法を解説

免疫力は私たちの身体を守るための大切な力です。しかし、免疫力は些細なきっかけで低下し、様々な病気の原因となることが分かっています。免疫力を低下させる原因は多岐に渡りますが、睡眠不足や質の悪い睡眠もその原因の一つです。

そこで今回は、免疫力と睡眠の関係について詳しく解説します。免疫力を高めるための睡眠対策もご紹介します。

睡眠不足や質の悪い睡眠が免疫力に与える影響とは？
1. 自律神経バランスを乱して免疫力をダウン！
2. 身体を修復できない…
免疫力を高める睡眠対策に必要なことは？
まとめ：免疫力は睡眠の質に左右される！良質な睡眠を目指そう

睡眠不足や質の悪い睡眠が免疫力に与える影響とは？

睡眠の異常は私たちの身体に様々な影響を及ぼします。近年の研究では、睡眠の異常が高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を悪化させることが分かっています。また、精神的な不調の原因となることも少なくありません。

では、睡眠の異常は免疫力にどのような影響を与えるのか詳しく見てみましょう。

自律神経バランスを乱して免疫力をダウン！

睡眠不足は自律神経バランスの乱れを引き起こすことが知られています。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り、それぞれ相反する作用をすることで身体の機能を調節しています。免疫に関わる細胞のバランスを調整しているのも自律神経です。

免疫細胞には多くの種類がありますが、交感神経は体内に侵入した細菌や寄生虫などを退治する白血球を増やす働きがあります。一方、副交感神経はウイルスなどに対する抗体を産生したり、がん細胞などを攻撃したりするリンパ球を増やす働きを持ちます。

感染症やがんなどの病気になりにくいのは、この白血球とリンパ球のバランスが整っているときです。そのため、睡眠不足が続くと自律神経バランスの乱れから免疫力低下を引き起こす可能性があります。

身体を修復できない…

睡眠中、私たちの身体の中では活動によってダメージを受けた多くの細胞が成長ホルモンの作用によって修復されています。

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌量は減少。すると、腸の中を中心に新しい免疫細胞が上手く作られなくなり、免疫力の低下を引き起こすと考えられています。

【風邪をひくと睡眠が深くなる？】

私たちの睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2つのタイプがあります。簡単にいえば、ノンレム睡眠は深い眠りでレム睡眠は浅い眠りのこと。睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠が交互に繰り返されています。

風邪をひくと、私たちの身体の中では免疫細胞からサイトカインという物質が放出されます。サイトカインには免疫の力を高める効果があるだけではなく、ノンレム睡眠を引き起こす効果もあります。そのため、風邪をひいてサイトカインの放出が増えれば眠くなりやすくなるのです。そして、深い睡眠が免疫力をさらに高めて風邪を治す…という良い循環が生じます。

免疫力を高める睡眠対策に必要なことは？

免疫力は睡眠と大きく関わっていることが分かりました。では、免疫力を高めるにはどのような睡眠を心がければよいのでしょうか？良質な睡眠の実践法をご紹介します。

規則正しい生活

良質な睡眠を叶えるには規則正しい生活を心がけることが何よりも大切です。特に睡眠リズムを整えることはマスト。早寝早起きを心がけましょう。また、起床時はカーテンを開けて日光を浴びると体内時計がリセットされて目覚めがすっきりし、夜には眠気を誘うホルモンの分泌が開始されるようになります。

日中はしっかり活動

日中の活動量は良質な睡眠に関係していることが多くの研究から明らかになっています。体力を使って疲労感を生むだけでなく、就寝の3時間ほど前の運動は脳の温度を高め、スムーズな入眠を促すと考えられています。

無理のない範囲で夕方に運動する習慣を身につけるとよいでしょう。

就寝前の習慣を見直す

就寝前の習慣は睡眠の質を左右すると言っても過言ではありません。良質な睡眠のために避けたいのは就寝前の入浴とスマホです。入浴は運動と同じく体温を高める効果がありますが、就寝直前に入浴すると寝つきが悪くなりやすいとされています。また、スマホから放たれるブルーライトは脳を活性化する作用があるため、就寝前に眺めるのは避けた方が良いでしょう。入浴もスマホも2～3時間前に済ませるのがおすすめです。