花粉症の方の中には顔・手・足、さらには全身にむくみを感じる方がいます。また体重増加を訴える方も少なくありません。むくみの原因や対策について解説します。
花粉症によるむくみの原因
なぜ花粉症によってむくむことがあるのでしょうか。考えられるのは次のような原因です。
花粉症の薬・抗ヒスタミン薬による副作用
現在花粉症の薬の主流は、抗ヒスタミン薬と呼ばれる種類のものです。抗ヒスタミン薬には、アレルギー反応の原因となるヒスタミンを抑える作用があります。
抗ヒスタミン薬の中には、添付文書の副作用の欄に「体重増加」や「食欲増進」と記載されている薬があります。これは、ヒスタミンには食欲をおさえエネルギー消費を促す作用があり、抗ヒスタミン薬によりヒスタミンを抑制すると、結果として食欲増進や体重増加が起こるためです。
また「浮腫」つまり「むくみ」が薬の副作用として記載されている薬もあります。ただし、いずれの発生頻度も頻度不明もしくは0.1%以下であり、ごくまれな副作用といえます。
花粉症で処方されるステロイド薬の副作用
花粉症の症状が重い場合はステロイド薬が処方されることがありますが、ステロイドの薬の副作用にも、浮腫(むくみ)や食欲亢進がみられます。
ステロイドというと怖い薬というイメージがあり、ムーンフェイス(満月様顔貌)などの副作用を心配される方もいるかもしれません。
しかしながら、ステロイドは決められた用法・用量を守り適切に使用していれば、安全な薬です。とくに花粉症の治療では、多量のステロイドを長期に渡って摂取するということはほとんどありません。
花粉症で処方されることの多い「セレスタミン」はごく少量のステロイドと抗ヒスタミン成分が配合された薬です。
花粉に対するアレルギー反応による皮膚炎
花粉が顔や首筋など肌の露出部分につくことで、かゆみを伴い赤く腫れ上がることがあります。とくに目の周りは皮膚が薄く、アレルギー反応が起こりやすくなっています。アトピー性皮膚炎の方は広範囲に湿疹が広がることがあります。
また、皮膚炎を発症していなくても、花粉の影響で皮膚のバリア機能が低下してしまい、顔が赤くむくんだ状態になることもあります。