ふくらはぎは「第2の心臓」
なんとなくすっきりしない、むくみやすい、肩がこる……そんな状態が続くようなら、血流が悪くなっているのかもしれません。在宅勤務も増えて動かなくなりがちな昨今は、そうした状態に拍車がかかっている人も少なくないでしょう。そんなときには「ふくらはぎ」のケアが有効です。
ふくらはぎは体の一番下、心臓から遠い位置にあります。体中に血液を巡らせるには、このふくらはぎから心臓へ、つまり下から上へと血液を送らなくてはなりません。通常、ふくらはぎの筋肉がポンプとなって、血液を押し上げています。こうしたことから、ふくらはぎは「第2の心臓」といわれることもあります。座りっぱなしで動かなくなると、このポンプの働きが弱り、むくんだり冷えたりする原因となります。

ふくらはぎの状態をチェック
あなたのふくらはぎの状態をチェックしてみましょう。
- 両手の親指と人さし指でつくった輪っかに、ふくらはぎが入る
- ぶよぶよ、ふにゃふにゃで柔らかい
- ふくらはぎを指で押して離すと、指の痕が3秒以上もどらない
- 血管がぼこっと浮き出ているところがある
- 手のひらで触ると冷たく感じる
ふくらはぎのためにできること

このほか、たんぱく質をしっかりとることも大切です。筋肉の材料となることはもちろん、むくまないためにも必要です。たんぱく質が足りないと血中のアルブミンという成分が少なくなってしまいます。血管内にアルブミンが十分にあると水分が保持されますが、少ない場合は、浸透圧の原理で水分が血管外に出てしまい、むくみにつながるのです。診療時などにふくらはぎのむくみ具合を確かめると、たんぱく質の摂取具合がおおよそ分かります。たんぱく質が足りないと、へにゃっと柔らかいむくんだ状態になっています。それほど如実に現れます。
むくみ対策として、市販の着圧ストッキングの利用も浮かぶかもしれませんが、あまりおすすめできません。着けているときは楽になるかもしれませんが、ずっと圧迫し続けるのはむしろ血行不良のもとになります。短期的に使うのはいいですが、適度な使用にとどめましょう。なお、治療目的の着圧ストッキングはこの限りではありません。医師の指示に従って使ってください。
もし、血管が浮き出ているようなことがあれば、それは下肢静脈瘤の可能性が高いです。その場合は、早めに医療機関で診察を受けてください。